けぴろぐ

アラ還主婦🌸はんなり雑記帳

『八日目の蝉』何度観ても号泣してしまう私が大好きな一押し映画

「お題「邦画でも洋画でもアニメでも、泣けた!というレベルではなく、号泣した映画を教えてください。」

 

こんにちは、けぴです。

 

お題にお答えします。

 

私が号泣した映画のナンバーワン「八日目の蝉」です。

 

私は角田光代さんの作品が好きで、デビュー作の「幸福な遊戯」をはじめとして、ほとんど愛読しています。

 

角田光代さんの作品は映画化されたものが多いですよね。

 

映画化すると必ず観るのですが、自分のイメージ通りの作品になっていると気持ちがすっきりします。

 

イメージと違ったとしても、それもまた「なるほどー」と感心するのですが。

 

とにかく角田光代さんの世界観が好きで、映画化された作品も裏切られたことはありません。

 

なかでも「八日目の蝉」は私にとって断トツです。

 

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原作の気に入っているシーンが、映画の中でカットしてあると残念だと思うことはありませんか?

 

「八日目の蝉」でもいくつかカットされているシーンがありました。

 

しかし、本作の永作博美(希和子役)さんの演技には圧倒されるものがあり、希和子薫(本当の名前は恵理菜)を大切に思う気持ちが十分伝わってきたので問題なしです。

 

※以下、ネタバレがあります!

 

不倫ということで出産をあきらめた希和子が、同時期に産まれたその不倫相手の赤ちゃんを誘拐してしまうことから物語は始まります。

 

そして、その子に自分の子どもに付けたかったという名前を付けるのです。

 

序盤の、育児に悪戦苦闘する希和子(永作博美母になろうとする姿には圧倒されます。

 

希和子が、堕胎により二度と子どもを産めない身体になってしまったことも大きく影響していると思いますが。

 

世間の目から隠れるように健気に生きる希和子と薫(恵理菜)

 

「どうか見つからないで」と、私は鑑賞中ずっと手に汗を握って二人を応援していました。

 

内容は知っているのに…笑

 

約4年後、ある広報記事がきっかけで警察に通報され、引き離されることになるフェリー乗り場のシーン。

 

「この子はまだご飯を食べていません。よろしくお願いします!」と深く頭を下げる希和子

 

ママ―と叫ぶ薫役の女の子の純粋な演技プラスになって、この場面は何度観ても嗚咽してしまいます。

 

 

希和子(永作博美)の不倫相手がいなければ、みんな幸せだったのに、なんて思ってしまいましたが。笑

 

それでは小説になりませんよね。

 

この映画で、良い味を出しているのが千草役の小池栄子さん

 

希和子と薫(恵理菜)と一時期、新興宗教同じ施設で暮らしていた女の子です。

 

ちょっと難しい人格を演じる小池栄子さんの存在は、作品の重要なスパイスになっています。

 

自らも辛い過去を背負っているであろう千草

 

そして、不倫相手の子どもを宿し、1人で産むと決めたものの自信を持てない井上真央さん演じる大学生の(恵理菜)。

 

薫(恵理菜)に寄り添い続ける千草の姿も、綺麗事でなくホンモノなのです。

 

千草と共に過去の自分をたどっていくことで、希和子と過ごした温かい生活(恵理菜)は思い出します。

 

それまでは、わかっていながらも、人を憎むことでしかバランスをとれなかった薫(恵理菜)だったのです。

 

 

そして薫(恵理菜)改めて決心します。

 

自分が希和子から愛してもらったように、薫(恵理菜)も自分の子どもにも愛を与えようと。

 

産んで育てられる確信を持てたのかもしれません。

 

人を憎むのではなく、愛する人生を選択したのです。

 

この映画は、希和子と薫の別れのシーンで辛くなった後、ラストの薫(恵理菜)の決心により希望の光が差す作品です。

 

この希望の光のことを「八日目の蝉」と表しているのだと私は思います。

 

もし、が堕胎していたら…。

 

七日目で死ぬと言われている

 

薫が子どもを産む決心したことで、お腹の子どもは八日目を迎えられるのです。

 

見せられなかったかもしれない世界を、産まれた子どもに見せたいという気持ちはまさに母性

 

はたしかに波乱万丈な人生を歩んできました。

 

しかし、大切な幼児期希和子から受けた愛情はしっかり心の奥底に受け止めていたに違いありません。

 

ただ、(恵理菜)の本当の母(森口瑤子さん)の気持ちを考えると、これもまた辛いです。

 

希和子ヒステリックに追い詰めたのも、この母なのですが。

 

彼女にとって希和子は夫の不倫相手ですからね…。

 

この映画は一度観た方でも、再度感動できる映画だと思います。

 

この記事を読んでいただき、少しでも気になった方は、ぜひ「八日目の蝉」をご覧になってみてはいかがでしょうか。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。